2023年2月14日
獣姦禁止、屍姦禁止・・・ブッダが定めた生活規則の異様。『怖い仏教』 | |
まったく新しい仏教の姿がここにある! | |
興奮と驚きに満ちた「仏教の原点」 | |
![]() 「阿弥陀女子」に「御朱印ガール」、 「イケメン仏像ランキング」など、 若い女性の間で寺ブームが巻き起こっています。 最近は、 お寺独自のグッズが充実していて、 カワイイものからクールなものまで、 実にさまざまです。 パワースポットブームの延長として、 お寺に漂う凛とした空気に癒されたり、 改めて自分や周りを見つめ直すきっかになったりする点も、 魅力なのかもしれません。 仏教といえば、 「悟りをめざす清らかな教え」というイメージを持っている人が多いと思います。 ところが、 仏教の聖典をひもとくと、 今まで抱いていた印象が一変するに違いありません。 «人間のみならず、 動物と性交をおこなった修行者は教団から追放される» ↑これは「律蔵」という仏典の冒頭に登場する条文です。 同じく、 こんな文章も並んででてきます。 «女の口、 小便口、 肛門を犯した修行僧は教団から追放される» ↑性器の挿入を禁じる女性の部位をあげたものです。 さらに、 「律蔵」の文章はつづきます。 «女の死体のなかで腐乱せずに残っていた口、 小便口、 肛門を犯した修行者も追放される。 » ↑一読して明らかなとおり、 屍姦に関する条文です。 一般の人間には、 法要で読まれる「般若心経」などの経典がなじみのあるものですが、 この「エログロ」エピソード満載の生活規則集「律蔵」こそが、 仏教の真実、 ありのままを伝える第一級の資料なのです。 仏教の背後を探っていくと、 そこには「人間臭い危険なドラマ」と「性にまつわる大騒動」が渦巻いていました。 本書では、 作家・仏教研究家の著者が、 興奮と驚きに満ちた仏教の原風景に読者を導きます。 こちらはその内容の一部です。
«ブッダの出家が死への不安を引き金としていたように、 仏教と死とは本来切っても切れない関係にあります。 ブッダが「生死へのとらわれ」の克服を説くとき、 「生へのとらわれ」を代表とするものとみなされたのが性的な欲望でした。 仏教の「本質」は、 「生死へのとらわれ」を超越した、 悟りすました境地を語る言葉に耳をかたむけるだけでは伝わりません。 そうした境地を得るための格闘、 そこに生まれる「失敗事例」をみるなかで初めて、 仏教のリアル、 したがって「ありのままの本質」は現われる――本書で古代インドの仏弟子たちがこれでもかと演じた性にまつわる大騒動、 悲喜劇の跡をたどりながらわたしがあらためて実感したのもそのことでした。 » 日本人の知らない仏教がみえてくる一冊です。 〈目次〉 第1章 異端ブッダの誕生 第2章 「無常の教え」の真相について 第3章 ブッダはなぜ妻を棄てたか 第4章 教祖ブッダの「コワイ教え」 第5章 ブッダのあぶない弟子たち 第6章 祇園精舎はスキャンダル天国 第7章 日本仏教の正体
【著者プロフィール】 平野 純(ひらの・じゅん) 1953年、 東京生まれ。 作家・仏教研究家。 東北大学法学部卒業。 1982年「日曜日には愛の胡瓜を」で第19回文藝賞受賞。 作家活動と平行してパーリ語、 サンスクリット語を習得し、 仏教(特に仏教理論と現代思想の関わり)を研究。 著書に『謎解き般若心経』『はじまりのブッダ』(ともに河出書房新社)、 『裸の仏教』『ブッダの毒舌 逆境を乗り越える言葉』(ともに芸術新聞社)などがある。 | |
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