2023年2月14日
ラグビーワールドカップで堀越正己が感じた日本代表の真の“ONE TEAM”への進化とは?!自身が出場した1991年大会の2試合をWOWOWで解説! | |
6月7日(日)放送の1991年大会「アイルランドvs日本」と6月28日(日)放送の「日本vsジンバブエ」の2試合を、 ともに戦った吉田義人さんと“ダブル解説”した元日本代表の名スクラムハーフ堀越正己さんに話をうかがった。 堀越さんが、 これまでほとんど見返すことがなかったという試合映像を見て感じたことや、 現在の日本代表に対する思いを語った。 ──ご自身が出場した1991年大会の映像を見て、 解説した感想からお願いします。 「当時一緒にプレーした吉田義人さんの話を隣で聞いていると当時のことが蘇ってきて、 すごくわくわくしながら見ていました。 アイルランド戦は『ミスがなければもっとクロスゲームになっていただろう』という悔しさがありましたし、 ジンバブエ戦は『セットプレーが安定すると日本代表はここまで対等に戦えるのか』ということが確認できて良かったです」 ──負けた試合の映像はまず見返さないそうですが、 敗れたアイルランド戦はどのような心境で解説していましたか? 「負けたこともあって鮮明に思い出せなかったところが、 映像ではっきりと思い出すことができました。 もしその前のスコットランド戦も私が先発で出場していれば、 アイルランド戦でプレー面も心の部分も修正できたかもしれない、 という思いがあらためて蘇りました。 もっと身体を張れたのではないか、 もう少し走れたのではないかという反省もあり、 それが次のジンバブエ戦の勝利に繋がったのだろうと思います」 ──ジンバブエ戦では、 日本代表は堀越さんの前半18分のファーストトライを皮切りに計9トライを挙げて快勝しました。 この試合についてはいかがでしたか? 「宿沢広朗監督の分析ではプロップのアレックス・ニコルズとフランカーのブレンダン・ドーソンの2人がキーマンで、 特にニコルズはプロップとは思えないような走りを見せていました。 フィジカルが強く、 バックスのキックもよく飛んでいた印象があります」 ──ご自身のトライの場面はいかがでしたか? 「相手の選手に左手一本で引っ張り戻された記憶がありました。 映像を見てもその通りで、 戻されたことでボールを地面に付けられていなかったのではないか、 という心配がずっとあったのですが、 リプレイを見たところグラウンディングできていました。 もう少し強く引っ張られていたらボールを落としていたかもしれませんが、 放送で吉田さんに『しっかりボールを両手に持ち替えている』と褒めていただきました。 それが良かったのかなと思います」 ──あらためて、 当時の宿沢ジャパンはどんなチームでしたか? 「宿沢監督とキャプテンの平尾誠二さんの下、 よくまとまっていました。 僕らの年代にとって平尾さんは憧れの存在でしたし、 神戸製鋼の選手、 同志社大学出身の選手が多かったことでチームとしてまとまりやすい状態にありました。 すごくいい雰囲気でチームが一つになっていたと思います」 ──現在の日本代表はそこからどのあたりが大きく進化したと考えていますか? 「今の日本代表はプロに近い形になり、 当たり負けしない身体作りをしてきた結果、 フィジカルの部分が世界に追いついてきました。 僕らの頃は、 特にアイルランド戦がそうでしたが、 フィジカルがそこまでは追いついていませんでした。 そして一番大きく違うところは、 長い時間をかけて準備するようになったことです。 宿沢ジャパンは宿沢さんの働きかけで年間トータル60日ぐらいと、 その前の時代に比べれば非常に長い期間練習していた記憶があります。 それによってチームが以前より一つになれたのではないでしょうか。 今はもっと長い期間集まることでさらに進化し、 本当の“ONE TEAM”になれたのではないかと思います」 ──今後、 日本のラグビーがさらに発展し、 強豪国に追いつくためには何が必要だと考えていますか? 「やはり日本代表の強化が第一で、 同時にトップリーグの運営側のプロ化と選手の働き方の多様性を進めていくことも必要です。 それがしっかり収益を出せる状況になった上で、 子どもたちの世代へ裾野を広げることが重要だと考えています。 女子ラグビーもぜひ強化を進めてほしいですし、 その結果お母さん方が『ラグビーはいいスポーツよ』、 『ラグビーをやりなさい』と広めてくれるようになれば、 子どもたちもラグビーをやりやすくなるでしょう。 女性はもちろん男女ともに、 もっともっとラグビーを広げていくことが大切だと思っています」 ──WOWOWでは全19試合放送しますが、 視聴者のみなさんへ見どころなどのメッセージをお願いします。 「やはり日本代表の試合を全部見ていただきたいですね。 ルールが変わるなどの時代の流れに日本代表が一生懸命食らいつきながら勝利を目指そうとして、 我々はジンバブエに勝ちましたがその後は勝てない時代が続きました。 その末に2015年、 2019年大会の勝利があるわけです。 全9大会の決勝が見られるという点もすごく魅力的なところだと思います」 ──特に注目してほしい試合はありますか? 「一番見ていただきたいのは、 やはり2019年大会の日本vsアイルランド(7月24日放送予定)ですね。 当時世界ランキング2位のチームにしっかり勝ったわけですから、 私はこれが日本代表のベストゲームだと思っています。 特にセンター中村亮土選手のタックル、 プロップ具智元選手のスクラムを押した後のガッツポーズ、 そして最後にアイルランドに『もう追いつかない』とあきらめさせたことなど、 いろいろなものが詰まっている一戦ですので、 そういうところを感じながら見ていただければと思います。 今後も日本代表はあのような戦い方をしていかなければなりません」 ワールドカップでは1991年大会のジンバブエ戦以降、 2015年大会で南アフリカから歴史的勝利を挙げるまで勝ち星に恵まれなかったラグビー日本代表。 今回の放送を通じてその進化の過程をつぶさに追うことができるだろう。 日本代表のみならず、 ラグビーそのものの魅力がぎっしり詰まった「ラグビーワールドカップ 感動と興奮の名勝負選!」をぜひWOWOWでご覧いただきたい。 ◆◆◆ 番組情報◆◆◆ ★ラグビーワールドカップ™ 感動と興奮の名勝負選! ~日本代表 激闘の軌跡~ ラグビーワールドカップ、 あの感動と興奮が再びよみがえる。 1991年大会から2019年大会まで、 日本代表の激闘の軌跡10試合をお届けする。 ・ 1991年大会 アイルランドvs日本 6月21日(日)午後0:30[WOWOWライブ] ゲスト解説: 堀越正己 / 解説: 吉田義人 / 実況: 住田洋 ・ 1991年大会 日本vsジンバブエ 6月28日(日)午後2:30[WOWOWライブ] ゲスト解説: 堀越正己 / 解説: 吉田義人 / 実況: 住田洋 ・ 2003年大会 フランスvs日本 7月5日(日)午後2:00[WOWOWライブ] ・ 2007年大会 カナダvs日本 7月12日(日)午後3:30[WOWOWライブ] ・ 2015年大会 南アフリカvs日本 7月19日(日)午前11:50[WOWOWライブ] ・ 2015年大会 サモアvs日本 7月23日(木・祝)午後0:30[WOWOWライブ] ・ 2019年大会 日本vsロシア 7月23日(木・祝)午後2:30[WOWOWライブ] ・ 2019年大会 日本vsアイルランド 7月24日(金・祝)午後0:30[WOWOWライブ] ・ 2019年大会 日本vsスコットランド 7月25日(土)午後0:30[WOWOWライブ] ・ 2019年大会 日本vs南アフリカ 7月26日(日)午後0:00[WOWOWライブ] ★ラグビーワールドカップ™ 感動と興奮の名勝負選! ~全9大会 決勝の記憶~ 世界一を目指し、 強豪国同士が激しい戦いを繰り広げた名勝負の数々。 1987年大会から2019年大会まで全9大会の決勝を余すところなくお届けする。 ・ 1987年大会 ニュージーランドvsフランス 6月21日(日)午前10:30[WOWOWライブ] 解説: 薫田真広 / 実況: 四家秀治 ・ 1991年大会 イングランドvsオーストラリア 6月28日(日)午後0:30[WOWOWライブ] 解説: 薫田真広 / 実況: 鈴木健 ・ 1995年大会 南アフリカvsニュージーランド 7月5日(日)午前11:30[WOWOWライブ] ・ 1999年大会 オーストラリアvsフランス 7月11日(土)午後0:00[WOWOWライブ] ・ 2003年大会 オーストラリアvsイングランド 7月18日(土)午前10:00[WOWOWライブ] ・ 2007年大会 イングランドvs南アフリカ 7月23日(木・祝)午前10:30[WOWOWライブ] ・ 2011年大会 フランスvsニュージーランド 7月24日(金・祝)午前10:30:[WOWOWライブ] ・ 2015年大会 ニュージーランドvsオーストラリア 7月25日(土)午前10:30[WOWOWライブ] ・ 2019年大会 イングランドvs南アフリカ 7月26日(日)午前10:00[WOWOWライブ] ※放送スケジュールなどの詳細はWOWOWラグビーオフィシャルサイト(wowow.bs/rugby)に随時掲載。 https://www.wowow.co.jp/sports/rugby/ | |
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