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「お金がすべて」の社会のその先に。今、家入一真が伝えたい、新しいお金、経済の姿。『なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。』発売。

「お金がすべて」の社会のその先に。今、家入一真が伝えたい、新しいお金、経済の姿。『なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。』発売。
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(取締役社長:干場弓子、 本社:東京都千代田区)は、 CAMPFIRE代表、 家入一真著『なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、 なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、 ということ。 』を発売しました。

日本最大級のクラウドファンディング・プラットフォーム「CAMPFIRE」を運営し、 融資サービス「CAMPFIREレンディング」、 知人・友人限定で支援を集めるフレンドファンディングアプリ「polca」など、 様々なサービスを立ち上げる株式会社CAMPFIRE代表の家入一真は、 今、 何を考えているのか。 何を実現したいのか。 「小さな経済圏」という言葉をキーワードに、 社会や経済の仕組み、 そして働き方や生き方の新しい形を考えてく1冊です。
本書の冒頭「はじめに」を公開します。 ぜひ、 ご一読ください。

***
たとえば。
カレーが好きすぎてインドで修業までしたのに、 どうしても本場のカレーの味を出すことができない男がいた。
彼は来る日も来る日もカレーを作り続けた。 あらゆるスパイスの知識を身につけ、 調合を検討し、 味見をし、 修業に修業を重ねた。 それでも本物の味には近づくことはできず、 日々は過ぎるばかり。
そんなとき、 妻が振る舞ったキーマカレーの味に、 彼は衝撃を受ける。
妻のカレーは美味しすぎた。 それもそのはず。 彼女はインドで3年間滞在するなかで修業を積み、 本場のカレーを体得していたのだ。
妻とカレーを愛する彼は、 このカレーをレトルトにして日本中の人に食べて欲しいと考えた。 その思いをインターネットで発信すると、 全国の300人が「それを食べてみたい」と手をあげ、 お金を支払った。
旦那さんはそのお金で工場と掛け合い、 究極のレトルトカレーを作り上げた。 夫婦の試行錯誤は3000時間にも及んだが、 こうして彼らの望みは叶った。
 
たとえば。
6歳で海外留学し、 30歳を過ぎるまで外資系商社で勤務した男が、 海外から日本を眺めて気がついたのは「日本の手仕事文化は素晴らしいのにうまく価値が伝わっていない」ということだった。
独立の決心をした彼は、 ブログで日本文化を海外に発信したが、 それでもまだ伝わりづらい部分があることに気がつく。
ならば自分で製品を作って世界に発表しようと「包丁」の開発を始めた。
日本伝統の藍染と、 金物製作の技術が掛け合わさったこの包丁には、 30人のパトロンが価値を感じ、 彼が作り上げた仕事を手に取った。
 
たとえば。
たくさんの歯車がかみ合い、 複雑な動きをする─。
大学で「からくり」の姿に魅せられたアーティストは、 その活動を世界に発信し、 共感を得た。 しかし、 本格的にその道を進み続けるには、 熱意だけでは足りなかった。 「からくり」を作るには材料費、 もちろん本人の生活費も必要になってくるからだ。
そこで彼はクラウドファンディングで自分の活動に共感してくれる人を募った。 共感する人は次々に現れ、 今では月に10万円の定期収入を得ることができている。
 
個人の熱意がモノやサービスになったり、 応援の気持ちがその人の生活を助けたり。 一昔前までは信じられなかったような世の中が今、 確かにある。 もちろんそれは企業活動と比べたら規模は小さいものかもしれないけれど、 彼らの熱い想いと活動に共感した人々が彼らの活躍を夢見て、 応援する優しい世の中は、 僕たちの身の周りで静かに生まれているのだ。
 
これは僕が運営するCAMPFIREというクラウドファンディングのサービスで、 実際に起きたことだ。
この仕組みに馴染みのない方のために簡単に説明すると、 クラウドファンディングとは、 個人や企業、 団体などがインターネット上で不特定多数の人から支援を募る、 資金調達の形だ。
クラウドファンディングのタイプは大きく分けて3つ。
 
[購入型]プロジェクトにお金を出した人が支援金の報酬として、 プロジェクトが実現するサービスや商品を受け取る。 新商品やイベント開催、 店舗開業など多岐にわたる。
 
[寄付型]支援金に対する報酬はなく、 プロジェクトの支援金を渡すのみ、 という形式。 被災地支援や途上国支援に使われることが多い。
 
[投資・融資型]支援者が出資した金額に、 成果に応じて利回りや物品をつけて返す。 株式投資と株主優待を小規模に行うような形。
 
募集者はいずれかの形態を用いて、 支援者を募る。 形態によって得意なプロジェクトも違うので、 募集者側は募集タイプを使い分ける必要がある。
クラウドファンディングの先駆けは、 アメリカの購入型クラウドファンディングサービスのKickstarterだ。
Kickstarterは主に製品開発をするベンチャー企業がその製造コストを(多くの場合はサンプルを作った段階で)先行販売するような形で集めるために使われている。
ものづくりは初期投資を集めることが大きなハードルで、 通常は銀行に事業計画書などを提出して融資を受けたりするのだけど、 クラウドファンディングの仕組みを使えば、 銀行から融資が受けられない小さな会社や個人であっても、 その製品を欲しいと思ってくれる人たちから直接お金を集められるために製品化のチャンスを得ることができる。
つまりクラウドファンディングとは、 これから何か始めようという人や、 起業から間もないスタートアップ、 消費者とコミュニケーションして商品開発をしたい企業などには、 この上なく強い味方となるサービスなのだ。

ただ、 今回、 僕がお話ししたいのは、 そこについてではない。
僕が今伝えたいのは、 そういったスタートアップ寄りの使い道のほかに、 もっと様々な捉えかたをされはじめているということ。
どんなことが行われているのかは、 冒頭のいくつかのエピソードで紹介した通り。 声をあげる人とそれを応援する人。 その両者をつなげるプラットフォームが、 今まででは考えられなかったお金のコミュニケーションを可能にした。 冒頭のいくつかのエピソードのような、 助け合いから生まれる物語が、 クラウドファンディングの現場では日々ささやかに、 かつダイナミックに誕生しているということだ。
 
かつての高度経済成長期のように「大きなことはいいことだ」と成長・拡大を続けることを目指す既存の経済や仕組みを「大きな経済圏」と呼ぶならば、 今、 CAMPFIREで起こっているプロジェクトのような、 個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、 支え合っているコミュニティのことを、 僕は「小さな経済圏」と呼びたい。
小さな経済圏では企業ではなく、 個人が活動をする。
そして、 その個人の大小は関係ない。 たとえば50人のフォロワーしかいない人でも、 その中の5人がその人の何かに価値を見出してお金を払ってもいいと思えたなら、 そこには小さな経済圏が生まれる。 そうして50人しかフォロワーがいなくても、 自らの価値を対価として彼らに提供し、 経済が回る。
これらの経済圏は、 名前の通りひとつひとつのサイズはとても小さいものだが、 その役割はとても大きい。 そして、 この「小さな経済圏」こそが、 何かと生きづらくなった現代の、 新しい生き方の鍵を握っている。

そういえば、 2012年からの約1年間、 僕は「解放集団Liverty」というコミュニティを立ち上げ、 様々なインターネットサービスを展開する活動をしていた。
Livertyは多彩なバックグラウンドを持つ人が夜な夜な集まってサービスを作り、 ローンチし、 その利益をみんなで分け合うスタイルをとっていた。 会社にも、 働く場所にも、 給与にも依存しない代わりに、 面倒な上司もタイムカードもない、 そんな集団。
 
Livertyには本当にいろんな人たちが集まった。
 
仕事は好きなのに上司とウマが合わなくて会社を辞めた社会人。
働きたいけど子育てがあるから希望する仕事に就けないお母さん。
自分のスキルを今の職場で活かせず悶々としている公務員。
とりあえず上京してきたけど、 何から始めていいかわからない学生。
引きこもりを脱出したいけど、 いきなり就職はきついと感じるニート。
面白いアイデアがあっても具現化するスキルを持っていないバンドマン。
 
そんなメンバーたちが自分の興味のあるプロジェクトだけを選んで、 自分にできることを自分にできる量だけこなしていく。
つながりだけで成り立つ、 (当時としては)まったく新しい働き方の実験場だった。
今となってはその活動はコミューン型シェアハウスの「リバ邸」へと移ったものの、 最近話題になることが増えてきたECサイトのBASEもLivertyから生まれている。
 
Livertyのような個人のつながりベースで仕事をしていく働き方は、 当時はかなり珍しかったけれど、 今となってはだいぶ普及した。 コワーキングスペースのメンバー同士で、 プロジェクトベースで仕事をしていく形態がそれに当たる。
 
Livertyは実験的なものだと言ったけど、 そこで試みたことは会社というしがらみからの解放だった。
僕は会社組織を否定したいわけではなくて、 その仕組みによって生きづらさや働きづらさを感じる人にも居場所を作りたかっただけだ。
そういう人は結構いるし、 言語化していないだけで違和感を持ち続けている人はさらに大勢いる。
もっと言えば、 そうした現実と想いのギャップについて「それが大人になるってことだよ」というわかったような言葉でお茶を濁そうとする世の中の姿勢を僕は看過できなかった。
 
あのときの活動から早6年近くたち、 今の僕は金融、 フィンテックの世界で「居場所作り」をしている。
なぜ僕がフィンテックの世界に飛び込んだのか。 それは、 このフィンテック業界こそ、 「居場所作り」が必要なものであると感じたからだ。
僕はもともと油絵の画家になりたくて芸大を目指していた。 でもそれを断念してインターネットの世界に入り、 レンタルサーバー会社のペバボを立ち上げて29歳で上場を経験。 その後はカフェ運営(Partycompany)、 シェアハウス(リバ邸)、 ECサイト運営(BASE)、 VC(Partyfactory)など、 根無し草のように色々な活動を続けてきた。
それらの活動に一貫しているのは、 その時代が必要とする居場所を作り続けてきたということ。
それは「人とつながりたい」とか「チャンスが欲しいとか」とか「寝る場所が欲しい」といった、 いろんな欲求レベルを満たすものだ。
 
その点、 お金の新しいインフラを作る活動は、 多くの人に行動の選択肢や居場所を作ることができるし、 自分が色々やってきた数々の活動や経験は全てCAMPFIREというプラットフォームに落とし込めると思っている。
 
自己実現
  CAMPFIRE(クラウドファンディング)
  BASE/PAY.JP(無料ECサイト)
  paperboy(激安レンタルサーバー)
  ブクログ(読書家のSNS)
  青空学区(無料プログラミング合宿)

機会
  partyfactory(ベンチャー投資)
  解放集団Liverty(プロジェクトベースで働くコミュニティ)
  studygift(貧困学生支援)

リアルな居場所
  リバ邸(シェアハウス)
  GoodMorning(社会貢献クラウドファンディング)
  Partycompany(カフェ)
 
例えば、 カフェを運営していたときに知り合った経営者から「お店の開業資金をクラウドファンディングで集められないか?」と相談されることもあるし、 様々な地域をめぐる中で出会ったNPOの方から「こんなイベントをやりたくて設営費用を集めたいんだけど」といった話をいただくことがある。 もちろん銀行から融資を受けるなどの従来のやり方もある。 だが、 人とのつながりを重視するクラウドファンディングという新しい手法が向いているケースも多々ある。
 
また、 今の金融制度や資本主義のあり方は非常に硬直的だし、 前時代的なものも多い。 それによって声をあげられず苦しんでいる人もたくさんいる。
そうした領域をアップデートして、 今の経済や社会の仕組みに不満を持つ人たちの居場所を作ることができれば、 働き方だけではなく、 生き方ももっと自由になれるのではないか、 と考えている。

本書は3部構成にした。
まずは話の前提を整理するために、 「小さな経済圏」という言葉を思いついた経緯と、 商業主義や競争主義がもたらした弊害について説明しながら、 そもそもいい社会とは何かについて考えてみる(第1章)。
次に、 今あるCAMPFIREのプロジェクトをはじめとして、 全国で起こっている「小さな経済圏」の試みや、 21世紀型の生き方を模索する活動について、 様々な事例を取り上げる(第2章)。
最後に、 CAMPFIREが現在行っている金融のアップデートの取り組みと、 僕らの社会がどこに向かおうとしているのかという未来予測的な話にも触れたいと思う(第3章)。
 
個人的には、 この本を読んで、 「あ、 こんな生き方もあるんだ」「自由に生きられるんだ」「自分も声をあげたい」と思ってくれたら、 これほど嬉しいことはない。
***

【目次】
第1章 「いい社会」って何だ?
第2章 21世紀型の生き方と「小さな経済圏」の試み
第3章 小さな灯をともし続ける
特別対談1 家入一真×pha「次の時代の生き方論」
特別対談2 家入一真×谷家衛「行きすぎた資本主義とCAMPFIREの役割」

【著者プロフィール】
家入一真(いえいり かずま)
1978年、 福岡生まれ。 活動家。
いじめがきっかけで高校を中退後、 ひきこもりに。 就職後も対人関係に悩み「誰も会わずに仕事がしたい」と起業を決意。
2001年、 自宅で「ロリポップ! レンタルサーバ」をリリース。 2003年に株式会社paperboy&co.を創業。 2008年最年少でJASDAQ市場へ上場。
退任後は「CAMPFIRE」「BASE」などのウェブサービスを立ち上げ、 取締役に就任。
渋谷「ON THE CORNER」などのカフェ運営も。
悩める若者の立場に立ち、 現代の駆け込み寺「リバ邸」などを精力的に展開。
2014年東京都知事選挙へ出馬し主要候補に次ぎ88,936票を得る。
著書に『こんな僕でも社長になれた』(イーストプレス刊)『お金が教えてくれること』(大和書房刊)『もっと自由に働きたい』(小社刊)など。

【書籍情報】
タイトル:なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、 なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、 ということ。
定価:1500円(税抜)
発売日:2017年8月26日
判型:四六判・ソフトカバー/200ページ
ISBN:978-4-7993-2159-1
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト:  http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321591

【販売サイト】
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4799321595
楽天ブックス: http://books.rakuten.co.jp/rb/15067406/
セブンネットショッピング: http://7net.omni7.jp/detail/1106799490
ディスカヴァーサイト: http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321591
 

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