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政治哲学者チョムスキー最新刊! 富と権力が集中するアメリカの現状と、尚語られる「アメリカンドリーム」という幻想。『アメリカンドリームの終わり あるいは、富と権力を集中させる10の原理』発売です。

政治哲学者チョムスキー最新刊! 富と権力が集中するアメリカの現状と、尚語られる「アメリカンドリーム」という幻想。『アメリカンドリームの終わり あるいは、富と権力を集中させる10の原理』発売です。
『アメリカンドリームの終わり あるいは、 富と権力を集中させる10の原理』を、 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(取締役社長:干場 弓子、 本社:東京都千代田区)より発売いたしました。 富と権力が集中するアメリカの現状と、 尚語られる「アメリカンドリーム」という幻想について、 政治哲学者であるチョムスキーの分析と提言がまとまった一冊となります。

アメリカン・ドリームとは
アメリカの19-20世紀、 人々は“アメリカンドリーム”を心に描いていました。
たとえば、 19世紀の夢のひとつは、 小説家ホレイシオ・アルジャーが描いた主人公の物語でした。 「俺たちは、 いまは汚らしくって貧しいけれど、 一生懸命がんばれば必ず出口が見つかる」という物語でした。
たとえば、 1930年代の大恐慌時代のさなかでさえ、 人々は「今日は仕事がないかもしれないが、 明日には仕事があるだろう、 だから力を合わせていっしょに働いて、 もっと明るい未来をつくりだすことができる」という希望がありました。
実際、 ヨーロッパからの移民が、 一定程度の富と権力と自由と独立を達成することはできていたようです。 そうしたいくつかの神話が“アメリカンドリーム”を生み出していました。

アメリカン・ドリームとは、 「 貧乏な家に生まれても刻苦勉励すれば豊かになれる 」というものです。 しかし現在、 これは本当の意味で夢物語になってしまいました。

なぜ、 アメリカン・ドリーム は「夢物語」なのか
アメリカン・ドリームが夢として終わった原因は、 富と権力を集中させたアメリカの政治と権力者にあります。
そして、 富と権力を集中させた背景には、 「民主主義の矛盾 の解決策 がありました。

◗◗ 民衆に権限を与えることで生まれる「民主主義の 矛盾
民主主義の矛盾とは一言で言えば、 「富の再分配によって富裕層の財産が削られ、 富をもつ権力者の立場が脅かされる」ことです。

民主主義には大きく2つの考え方があります。 大きく「 貴族政体論 」と「 民主政体論 」の2つです。 (p.028-029 原理1|民主主義を減らす)
貴族政体論とは「貴族や権力者は正しい決断をして正しいことを成すだろうから、 権力はとりわけ特別な階級、 すなわち優れた特権階級に与えられるべきだ 」という考え方です。
一方、 民主政体論とは「 権力は民衆の手に委ねられるべきだ 」という考え方です。
究極的には民衆こそ集団的英知の源であり、 だからこそ政策の決定と賢明な行動ができる。 したがって、 富裕層がその政策決定を好きであろうがなかろうが、 それが支持すべきものとなるというのがその主張です。

どちらにしても、 民衆にどこまでの権限を許すのかがポイントとなります。
たとえば、 大多数の民衆に大きな権限を持たせてしまえば、 民衆が団結し、 こぞって富裕層の財産を奪ってしまうことが起こりうるのです。
第四代大統領であるマディソンの言葉を借りれば、 「かつて“囲い込み制度”によって土地を奪われ、 自分の住処から追い払われた農民たちが、 その土地を奪い返すことになる」のです。
この「民衆が力を合わせて豊かな人たちの財産を奪っていくであろう」という内容こそが 民主主義の矛盾 です。

◗◗ 「民主主義の 矛盾 」への解決策とその末路
しかし、 民主主義の矛盾は、 政治制度に対する最初の重要な文献であるアリストテレスの『政治学』でも指摘されているもので、 仕組みによって生まれるものです。
今のアメリカの状況を生んだ背景は、 この解決策にありました。
  マディソンの解決方法は、 民主主義の機能を麻痺させることでした。 すなわち
権力が富裕層の手に行き渡るように政治制度を組織化すること、 と同時に、 民衆
をあらゆるやり方で分断・解体させることでした。 そうすれば、 民衆は寄り集まっ
て組織をつくることができず、 したがって富裕層から権利を奪うこともできなく
なるからです。

 これに対し、 アリストテレスの解決法は、 それとは正反対のものでした。 かれ
が提案したのは、 現在のわたしたちの言葉で言えば、 福祉国家をつくることでし
た。 そうすれば「不平等を減少させる」ことができるからです。 たとえば、 公営
の食堂やその他の施策で不平等を減らすのです。 これは当時の都市国家には非常
に適したものでした。

 つまり同じ問題に対してまったく違った解決方法が提案されていたわけです。
一方は不平等を減らすことによって、 他方は民主主義を減らすことによって、 こ
の問題を解消しようというものでした。 このような対立する考え方のなかで、 わ
たしたちアメリカは建国の基礎を築いたのです。
(p.030-031 原理1|民主主義を減らす)

民主主義の矛盾を克服する方法は、 不平等を減らすことであって、 民主主義を減らすことではありません。
しかしアメリカは、
大学のキャンパス構造を変えたり授業料の値上げによる教育への圧迫を行う(原理2)、
労働者を不安定な地位に追いやり、 選択させる余裕と権利をなくす(原理3)、
民衆を連帯させない(原理5)、
お金をつぎ込み合意や権限をねつ造する(原理6-9)
といった「民主主義を減らす」対策をとり、 結果現在の状況を必然的に生み出してしまいました。

これが、 夢物語のからくりです。

アメリカン・ドリームが 崩れた人々はどうしていくべきなのか
アメリカン・ドリームが崩れ、 富の不平等に苛まれたアメリカはどうしていくべきなのでしょうか?
チョムスキーは最終章の中でこう述べています。

 わたしはよく「わたしたちに何ができますか」という質問を受けます。 わたしたちが何をしようか選ぼうとするときに、 いつも出てくる質問です。 もっとも重要なことは、 アメリカの社会は、 他の国と比較してみれば、 まだまだ、 きわめて自由な社会だということです。 それは非常に重要な事実です。 しかし、 それは決して天からの贈り物ではありません。 このわたしたちがもっている自由は、 勇気ある人びとの苦痛の伴う闘いの結果、 勝ち取られてきたものです。 だからこそ、 わたしたちはこれらの権利を享受しているわけです。 わたしたちはそのような素晴らしい伝統をもっているのです。 その伝統は、 先人たちによる、 長年にわたる苦しくて厳しい闘いの成果として、 わたしたちに与えられているのです。

 わたしたちアメリカにはさまざまな大きなチャンスがあります。 アメリカは最近は悪くなっているとはいえ、 いまでも、 いろいろな点で世界でもっとも自由な社会のひとつなのです。 政府は人びとを強制する力をかなり制約されています。 財界・金融街もなんとかして民衆に強制力を働かせようとしていますが、 そのような強制装置が十分に機能しているわけではありません。 ですから、 人びとが団結し、 自分たちの権利を求めて闘うならば、 わたしたちには、 まだまだ成すことのできる多くのことが残されているのです。 わたしたちは過去にもそのようにして権利を勝ち取ってきましたし、 それは今後もできるはずです。
(p.274-275 原理10|民衆を孤立させ、 周辺化させる)

顔を合わせて話し合い、 権力を勝ち取っていくことこそがあるべき姿だと述べています。
オバマ大統領が選ばれたから国が変わる訳ではなく、 またトランプ大統領が選ばれたから国が変わる訳ではありません。 民衆一人一人が 考え、 団結し、 権利を 勝ち取って いかなければ明るい未来はありません。

本書はアメリカの話ですが、 日本人も他人事ではありません。
国の在り方を正しく知り、 考え、 一人一人が行動を積み重ねていくこと。
これこそ、 チョムスキーが伝えたかったメッセージではないでしょうか。

【目次】
原理1|民主主義を減らす
原理2|若者を教化・洗脳する
原理3|経済の仕組みをつくり変える
原理4|負担は民衆に負わせる
原理5|連帯と団結への攻撃
原理6|企業取締官を操あやつる
原理7|大統領選挙を操作する
原理8|民衆を家畜化して整列させる
原理9|合意を捏造ねつぞうする
原理10|民衆を孤立させ、 周辺化させる

【著者プロフィール】
ノーム・チョムスキー
政治哲学者、 活動家、 言語学者であるノーム・チョムスキーは、 真実を追求する姿勢と優れた思想で世界中から敬愛されている。 1928年12月7日、 ペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれ、 ペンシルベニア大学で言語学、 数学、 哲学を学び、 1955年、 博士号を取得。 その後、 マサチューセッツ工科大学で50年間教鞭をとり、 現在は名誉教授、 かつMIT特別栄誉教授(インスティチュート・プロフェッサー)。 その言語学的研究は革命的で幅広い信用を得、 政治に関する著作は数十年にわたり重要な貢献をしてきた。 2001年には『9-11』を出版し、 彼の最初の世界的ベストセラーとなり、 おそらく「ポスト9-11」の本の中で最も大きな影響力を持つ1冊となった。 その他『Profit Over People』『Media Control』『Hegemony or Survival』『Failed States』『Hopes and Prospects』『Masters of Mankind』『What Kind of Creatures Are We?』『Who Rules the World?』など政治に関するベストセラー著作も多数。

【書籍情報】
タイトル:アメリカンドリームの終わり あるいは、 富と権力を集中させる10の原理
定価:1,800円(税抜)
発売日:2017.10.13
判型:四六判・ソフトカバー/304ページ
ISBN:978-4-7993-2183-6
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト: http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321836

【販売サイト】
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4799321838
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/15191694/
セブンネット: http://7net.omni7.jp/detail/1106710386
ディスカヴァー・トゥエンティワン: http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321836

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